
猫科の生き物の特徴は、しなやかな体つきと、優雅な歩き方。やわらかい関節は、バレリーナのよう。切れのある動きは、京劇の役者のように凛としています。
しかし、よく見ていると猫ちゃんの歩き方には特徴があることがわかります。
●猫ちゃんは、ナンバ歩き?
わたし達は、就職試験を受けるときや、披露宴で、慣れないスピーチをするときなど、「右手と右足が同時に出る」場合があります。
これは、裏を返すと、自然体のときは、「左足を踏み出したら、右手が前に出る仕組み」になっているということ。
つまり「左手と左足が一緒に前に出る」のは、緊張している特別な状態であるのがわかります。
ところが、猛スピードで走る猫ちゃんを観察すると、「右の前足」と、右の後足」が同時に動いていました。また、子猫をくわえてゆったりと歩く母さん猫も、やはり「左前足が前に行く瞬間、左後足」が出ています。
人間の感覚では違和感があるかもしれません。ですが、近年、体をひねらずに合理的に動ける方法として、この歩き方は「ナンバ歩き」と呼ばれて注目されています。
近年この「ナンバ歩き」は、筋肉や関節に余分な負担がかからず、楽に前に進めることから、リハビリにも取り入れられています。
意識しなくても、猫ちゃんは「美容と健康によい」ウオーキングを実践していたのですね。
予断ですがわたし達も、和服を着たときは「キャットウオーク」を取り入れてみてはいかがでしょうか。着崩れしないで一日すごせますよ。
●しっぽでバランスをとる
もうひとつ、猫ちゃんの歩き方で印象に残るのは「しっぽ」ではないでしょうか。彼らは、階段の手すりや、細い道を進むとき、まっすぐ、しっぽをたてて歩きます。片側にふらつきそうになったり、落ちそうになると、しっぽを使いバランスをとるのです。
たおやかで、気品のあるウオーキング術の極意は、たくみな、しっぽさばきにもあったのですね。
野生時代に、ハンティングをして鍛え上げたボディと、躍動感あふれる動きは、人間を魅了してやみません。
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