ヤモリが白い腹部を網戸におしあてて、小さな羽虫を狙っています。少しずつ、時間をかけて距離を縮めていきます。そしてついに、虫がとびあがった瞬間、ヤモリが、猛スピードで羽虫をしとめました。
同時に、その一部始終を観察していた牝猫の愛ちゃんも、窓にかじりつきます。 
しかし、一枚の薄い網戸で仕切られていたため、獲物をくわえたヤモリをつかまえることはできません。
十分ほど前にごはんをすませたばかりなのに、なぜ、まだ狩りをしたいのでしょうか。

●猫科の生き物は用心深い?

猫ちゃんだけではなく、「虎」や「豹」など猫科の皆様は、たとえ満腹で鼻から提灯を出して眠っていても、目の前を獲物が通ると起き上がります。
見た目以上に、彼らは用心深く、次の空腹時に血眼になって食料を調達しなくても良いように、すぐに、つかまえておくのです。
自然界では、一度の仕事で得られる収入はわずかなので、「飢え」にそなえて、万全の対策をとっているのでしょう。華やかな容姿とは裏腹に、意外と、貯金大好きな堅実な考え方をするのですね。

●母猫に学ぶハンティング・テクニック

ダイヤモンドの原石は、研磨しないと輝きを放ちません。そのままの状態なら、ただの石ころでしかないように。
猫ちゃんも同じこと。生まれつき、狩猟本能にすぐれているとはいえ、経験を積まなければネズミ獲りは上達しません。
子猫は、目があくとすぐに、母猫の背中を追いかけて狩りを教わります。大人の猫に習わない限り、成長しないですから。

●獲物は、子猫のおもちゃ?

野生に生きる母猫は、獲物を生きたままくわえて巣に持ち帰ります。子猫に「とどめのさしかた」を教育するためです。
子に、獲物を待ち伏せしたり、気配を消して近づく方法を覚えさせるのが目的です。
大人になった猫ちゃんも、鳥や虫を殺す前に、前足でつついたり、足や羽を引きちぎったりするのは、こども時代の名残かもしれません。
人間は、猫が獲物をもてあそぶ様子を見て、唖然としますが、苦労して得た「ごはん」を見せびらかすのは、緊張から解放される何ともいえない至福の時間なのです。

おうちの中だけで生活する愛ちゃんに、魚の形をしたおもちゃや、電気仕掛けで動くネズミを買ってきました。今日も彼女は、擬似ハンティング体験に夢中になっています。

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有友紗哉香

有友紗哉香

投稿者プロフィール

一九八二年 岡山県玉野市生まれ。 同市在住。
歌誌「短歌人」に「有朋さやか」の筆名で、毎月出詠中。

はじめての猫は、ジャパニーズ・ボブテイルの「ニャーリン」。
現在は、アビシニアン風のミックスキャット「愛」と同居しています。
ちなみに、有友が、愛ちゃんを飼っているのではなく、あくまでも、猫さんに飼ってもらっていると信じている、駆け出しライターです。

ブログ:山あり谷なしの読書体験記

http://yamaaritaninasi.seesaa.net/

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