のどをごろごろ鳴らすのはなぜ

三ヶ月前に、シャム猫をひきとった新婚さんが、動物病院に来ていました。若い夫婦がかわるがわる撫でている牝猫さんは、まるで、ふたりの間に生まれたこどものよう。
しかしどちらとも、両親が転勤族だったそうで、ワンちゃんや猫ちゃんと暮らすのは、はじめてということ。それとなく診察を受けに来た理由をたずねると、筆者の想像を右斜め上を行く「まさか」の答えが返ってきました。

「あの、この子、時々のどがごろごろと鳴るの。悪い病気ではないでしょうか」

古典落語のような展開におもわず苦笑いがこみあげてきました。

●母と子のコミュニケーション

猫好きにとって、のどがごろごろと鳴る音は、心地よいBGMにきこえますが、どんなメッセージがこめられているのでしょうか。
子猫は、生まれて数日間は、目が見えず、耳も聞こえないので、母猫と子は、匂いと触覚でつながっています。子猫は、母親の存在を振動で感じとり、また、みずからの居場所を伝えるためにも、同じようにのどを鳴らして答えるのです。
そして親猫は、子がごろごろいうのを確かめて、幸せな気持ちになるのだそうです。

●猫ちゃんにとって人間の家族は「お母さん」?

自然界の法則では、母親業をしていない大人の猫ちゃんが、ごろごろということはありません。
けれども、抱き上げたり、あごの下を掻いてあげると、のどを鳴らして答えてくれます。
これは、一説によると人間を「母」のように慕っているからだといわれています。生物学的な親子関係とはちがいますが、「お母さん」のように親しい間柄だと認めると、のどを振動させて甘えよるのです。もしくは、同居人は、「わが子」のように「守るべき者」だと感じているのかもしれません。

●狩猟のときや、弱っているときにも

のどのごろごろは、信頼関係のシグナルにも思えますが、一方で、獲物に狙いをさだめているときや、体調が悪いときにも、のどを鳴らします。
 

●ゴロゴロのメカニズムとは?

はっきり解明されていませんが、ふたつの仮説があります。
ひとつめは、胸の太い血管に血液が流れる音が頭の空間に反響している音だという考え方。
ふたつめは、仮声帯といわれ、声帯が閉じたり開いたりするたびに音が出るという説。現代では後者が有力だといわれています。

のどのごろごろは、猫ちゃんの愛情表現です。とはいえ、「わかっている」ことよりも「わかっていない」領域が大きいのも事実なのです。

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有友紗哉香

有友紗哉香

投稿者プロフィール

一九八二年 岡山県玉野市生まれ。 同市在住。
歌誌「短歌人」に「有朋さやか」の筆名で、毎月出詠中。

はじめての猫は、ジャパニーズ・ボブテイルの「ニャーリン」。
現在は、アビシニアン風のミックスキャット「愛」と同居しています。
ちなみに、有友が、愛ちゃんを飼っているのではなく、あくまでも、猫さんに飼ってもらっていると信じている、駆け出しライターです。

ブログ:山あり谷なしの読書体験記

http://yamaaritaninasi.seesaa.net/

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